その手を離さないでの感想

はやめさん
評価:☆☆☆
>悪戯をして親に叱られ、家を飛び出した男の子が、仲良しのフワンテに連れられ、空を飛んでいく。しかし、次第に宇宙の闇に飲まれる怖さから、家に帰りたいと泣け叫ぶ。その鳴き声に悲しんだフワンテも泣き喚いて破裂してしまう。男の子は真っ逆さまに落ちていく中で、目が覚める。夢の中の出来事だったのだが、それ以来、男の子は悪戯をしなくなったという。
 破裂してしまう、というのがなんとも悲惨な末路ですね。絵本は時に残酷な内容を語りますが、これも幼少期の私であったらトラウマ必至だなと思い、こびりつきました。
 
 霊体とオゾン層にどういう関係があるのか、に関しては他の方がたくさん突っ込んでおられますし、文系の私は科学的アプローチに疎いので、設定そのままとして、すんなりとはいきませんが受け入れることが出来ました。
>近い未来に、この世に残った人間やポケモンの魂、そしてそれらが結合して生まれたフワンテが、この地球上を覆い尽くしてしまうかもしれない。だから僕は、オゾン層に穴を開ける。そして、魂たちを、フワンテたちを高く遠くへ飛ばしてあげなきゃならない
 この話の焦点はフワンテたちに対して安らかな眠りを与えるところにあると思います。そのファクターとして、作品の世界観に丁度合致していたものがオゾン層だった、という風に捉えました。

 最後なのですが「手を繋ぐ」「手を離さない」という行為の意味が少しずつマイナスからプラスに変遷していく印象を受けました。最初は「離す」ことによって何かを失ってしまう意味合いが暗示されていたように見えました。それが最後になって「離さない」ことによっていつまでも手の温もりを忘れずにいられるという風に、受け取り方の転化を感じ取りました。そういう意味で、飛行機での出来事を最後に持って来る配置の巧みさが個人的にすごく好みです。タイトルが象徴する通り、手を繋ぐ、ということの意味を考えさせられるお話でした。
トビさん
評価:☆☆☆
限りなくオカルトな存在を科学的にアプローチするとは 衝撃的でした 情景の描写が好みで読んでて心地よかったです 夕焼けの描写が素晴らしかった 面白い作品でした!
砂糖水さん
評価:☆☆☆☆
野暮なこと突っ込みたくはなったんですけど、物語はその瞬間さえ筋が通っていて、疑問を抱かせないならそれでいいのだから、まあいいんですよ、うん。
曽根さん、よく生きてこれたね……って超思いました。
Pさん
評価:☆☆☆
空の向こうへ消えていく風船と、空の彼方へ消えられないフワンテたち。地上にとどまった幽霊と、天国への道を開こうとする男。
空を舞う様々な風船や雲の向こうに広がる空の描写もさることながら、片や霊の見える世界に生き、片やもう既に事故で死んでおりと、他の誰とも共有できない経験を持つ二人がそれでも心を通わせるその描写が美しいと思いました。
「オゾンホールが塞がると幽霊が増える」という独特な理論を納得して飲み込めるかどうかがこの話の理解の上でのひとつの分かれ目と考えていますが、おそらくそれでユイが成仏したのはその説明やソネとの交流によって「空は怖くない」と納得したからであって「ソネの理論が正解である」からではないと考えています。
金・藍・赤・黒と様々な表情を見せ、そしてソネの話の通りオゾンホールに穴の空いたところが見えるラストシーンの空ですが、それはソネを信じるユイが見た「ソネの信じる空」なのかなと思っている次第です。
照風めめさん
評価:☆☆☆
死亡:△(作品前から死んでいる)
頻度:ラジオ5 上昇気流2 反比例1
舞台:不明
推しポイント:後半からの異様さ
アオリ文:世界の外へとつながる道は、きっと何より美しい
ラジオゾンデ……! 自分で提示したにも関わらずいろんな使い方してもらえて嬉しいです。これは全く発想にありませんでした。
フワンテの解釈がいいですね。昇天出来ないけど、宙に漂い続ける。ある種地縛霊とは対を成す存在に感じます。
そして霊体がオゾン層を越えないというのも面白いですね! そしてオゾンホールが修復されているというので、SF感を感じました。すごいな~。
そしてソネさんのまさかの特殊技能。それまでのほのぼの感が一転、体が冷えるような驚き。
おそらく最初ユイのことをソネさんは幽霊とは思ってなかったんですね。今まで出会った幽霊は、台詞にある通り意識を失っているということもあって会話できなかった。だからこそ、会話できるユイのことを幽霊と思っていなかった。と考えるんですがどうでしょう……。ちょっと自信がない。
まさかのホラー展開に驚かされるも、それで終わりでなく、静けさの中の解放感を湛えているのが好きです。
>「明日は明日の風が吹く。その時はフワンテのように風に乗って、どこかへ去っていくさ」
うまいこと言うなあ~。
地表からどんどん舞い上がるシーンも、さながらエレベーターに乗っているような静かさと、ふと広がる景色に思いを馳せました。
一瞬ドキっとさせられましたが、心温まる作品でした。
あすぺふさん
評価:☆☆☆☆
死んでいたのは気が付きませんでした……。素晴らしい仕掛けですね!
あきはばら博士さん
評価:☆☆☆
幻想的でフワンテみたいにフワフワした不思議な作品。ラジオゾンデの解説をするなら幽霊はオゾン層を通れない理由が個人的には欲しかったですが、それを踏まえても良い作品です。
あまもさん
評価:☆☆☆☆☆
宇宙に昇っていくシーンは、優しいのに切なくて、壮大な世界に抱かれるようで素晴らしかったです。私もこんな景色を見たい…。消えゆく中、飛行機での悲しい辛い思い出が組み込まれており、全てを受け入れ両親を想い消えていくユイちゃんの運命に涙が止まりませんでした。号泣でした、ありがとうございました。
フィッターRさん
評価:☆☆☆
冒頭で孤独に空へ登っていく風船や、広場から見える風景、ラストシーンで描かれる空の景色といった情景描写がとても素敵です。ソネさんとの交流が深まったところで明かされる主人公の真相から、流れるように繋がっていく展開もとても美しいです。
ただ、『オゾンホールがなくなったために幽霊が昇天できなくなりフワンテになった。このままでは地球がフワンテで埋め尽くされてしまうかも』というところにはどうしても無粋なツッコミを入れたくなってしまいます。地球史どころか人類史で見てもオゾンホールがあった時代よりなかった時代のほうがずっと長かったのですし、ソネさんの言うことが正しいなら地球はとっくの昔にフワンテに埋め尽くされているはず。
ソネさんの言うことは実は間違っていて、それでもそれを信じたことによってユイは自分の死を受け入れることができたから、フワンテと一緒にこの世を離れることができた、という事なのでしょうか。
森羅さん
評価:☆☆☆
今回のフェス、どんでん返しが多いですね!? あと、賢いお話も多い……。「ラジオ」を「ラジオゾンデ」にしてしまうのが巧いです。作中、すでにユイは幽霊なわけで、生き死にに関してならば「終わってしまったところから始まる」のがこの物語なわけですから、成仏というエンドは間違いなくハッピーエンドなのでしょう。でもなんだか、読み終わった後にタイトルが切なさがギュッと来ます……。彼女に付き添っていたフワンテにはやっぱり両親の想いがこもっていたのでしょうか。
乃響じゅん。さん
評価:☆☆☆
ユイが空に昇っていくラストシーンでの描写があまりにも美しい。
彼女が死ぬ直前の描写を最後に持ってきて、オゾン層を越える描写と対比させることで、両親との絆をしっかりと描いているのがまた印象深かったです。その手を離さないで、というタイトルの回収がもう滅茶苦茶綺麗でした。読後感がひときわ目立つ作品でした。ありがとうございます。
冒頭から中盤までの流れが、若干パワー不足を感じました。浮遊霊と不思議な気象学者という組み合わせなだけに、ふわふわとした雰囲気はなかなか避けがたいとは思いますが、もう一つパンチが欲しいな、と思いました。
カイさん
評価:☆☆☆☆
ユイが実は幽霊だったと分かった瞬間、ぞくっとしました。上手くミスリーディングされてしまいました。
オゾン層とフワンテの関係について少し分かりにくかったのですが、作品全体としての雰囲気は大変好みです。心情も風景もしっかりと語られていて、綺麗だと思いました。
ユイちゃんのフワンテはご両親の魂だったのかなあとも想像しています。
葉穂々さん
評価:☆☆☆☆☆
フワンテのオカルト要素とオゾン層には「!?」となりましたが、夕焼けの中、手を握りながら宇宙へと昇っていく少女とフワンテの図は只管美しい。最高です。
そして、肉体を失っても、姿形を変えても、ユイちゃんに寄り添っていた御両親。
……嗚呼、私はこういうのに弱いのですよ……!
少々強引な点も見受けられましたが、それでも星5に値すると感じました。良い作品をありがとうございました!
風間深織さん
評価:☆☆☆☆
しんみりと、ゆったりと、淡々と。スッと心に落ちるお話でした。ユイと過ごした短い期間が、ソネさんにとって幸せな時間だったことは言うまでもありませんね。素敵なお話でした。
ポリゴ糖さん
評価:☆☆☆
【褒めポイント】
・フワンテの所作が可愛い
  「ぷわわん」という鳴き声もそうですし、涙をハート形の手で拭ってあげたりするあたり。
・叙述トリック
  ユイさんがすでに故人となっていたことを匂わせず、生き生きした挙動を交えつつ前半を書き切られていて見事に騙された。
【指摘ポイント】
・霊体とオゾン層との関係
  オゾン層が破壊されないと霊体が外に出られずフワンテが飽和するというのなら、原始時代からの蓄積でとっくに飽和していたのでは。
・ソネさんが優しすぎる
  立証はされていないけれど信じる、という我が道を行く人にしては物腰が柔らかすぎないか。
【総評】
 物語自体は良かったけれど、理論に納得いかないところがあり、☆3つに収まりました。
Ryoさん
評価:☆☆☆☆
「霊体はオゾン層を突破できない」
この発想が一体どこからどうやって降りてきたのか、私は本当にわからない。
そして、オゾン層を破壊して霊体であるフワンテを宇宙へ開放する、というソネさんの台詞を読んだ時は
「作者さんがまさかオゾンホールとかあのへんをご存じない……?」という疑いを持ってしまいましたが、
もう一度読み返すときちんと本文でフロンとオゾンの関係、オゾンホールの危険性に触れられている。
ソネさんはそれを知った上でオゾン層に穴を開け、犯罪者になることさえ覚悟している。ここでますます混乱しました。
いや、単にオゾンホールどうこうを知らなかったのならまだオゾン層に穴開けようぜ!って躊躇いなくできるのかもしれないけど
環境破壊の恐ろしさを知った上で霊体のためにオゾン層に穴開ける……霊体のために……?と混乱した果てに私はソネさんトンデモ説に行き着いたのでした……
そう思って見ると、無精髭生やしてクマ作っていかにも怪しげな風体のソネさんが気象学者である、というのも自称でしか無い。
ラジオゾンデやオゾン層破壊装置についても、ソネさんの説明でしかどういうものかわからない。
そしてソネさんの姿を見て、ソネさんと話をしているのは、ユイしかいない。霊体の、ユイしかいない。
誰もいない空間に向かって熱心に装置の説明をしているソネさんの図を思い浮かべた瞬間、このお話の構図が一変してしまいました。
同じ霊体であるはずのユイにすら見えていない、ソネさんの見ている霊体とは一体何なんだろうか。
ユイにとって唯一会話できるソネさんが救いだったように、ソネさんにとってもユイの存在は救いだったんじゃないだろうか。
このようにトンデモ前提で解釈してしまったために、結局このお話のどこからどこまでが本当のことだったのか私にはわからないんですが
この二人が救われた、他の全部がトンデモだったとしてもこれだけは真実で、それだけでいいんだと私は思いました。
(そして私はトンデモの人が、最後まで自分を信じてくれた大切な人だけに救いを与えられる展開が大好物なのでした)
逆行さん
評価:☆☆☆
 最後の最後に飛行機事故のシーンを持ってくるのが凄い良かったです。うわああああああなってなりました。絶望的な状況の中、握りしめたその両手の暖かさに希望を抱いているっていうのにかなりじーんときました。そして「その手は絶対に離さない」とタイトルとリンクさせるというこの綺麗さ。本当に圧巻でした。
 ただ、いかんせんどうしてもオゾン層に穴を開けるっていうとんでもない行動がどうしても気になってしまいます。いや、まずいでしょだって。オゾン層ですよ。フワンテがギリ通れるくらいな小さい穴なんですかね。それだったら大丈夫かな。いやー大丈夫じゃないでしょう。
 最後のシーンは本当に良かったです。終わり方に関しては、自分はポケストフェスの作品の中で一番好きと言っても過言ではないかもしれません。
円山翔さん
評価:☆☆☆☆☆
 景色の描写が美しいんです。一つ一つの光景が、瞼の裏に鮮明に浮かんでくるんです。浮かべたくなるんです。淡々と、それでいて優しく、丁寧に描かれる光景が、愛おしく思えてくるんです。ラジオゾンデという単語も初めて知って、こういう使い方もできるんだなぁとラジオという言葉の多様性に驚きあきれるばかりです。
 結さんが空を登っていくシーン、私も実際に見てみたいです。できれば生きているうちに。宇宙服がないと死んでしまうでしょうから残念ながら無理なのでしょうけれども。プロのカメラマンが撮った写真はどうか分かりませんが、カメラで捉えた映像よりも自分の目で見た景色の方が美しいと感じるように、きっと言葉では言い表せないくらい美しいんだろうなぁと思うのです。宇宙線の中から見た地球ですら美しいと感じる人間がいるのですから、きっと窓ガラスというフィルタなしに見た景色はとてもとても美しいのだと思うのです。そして最後の最後に気付きました。フワンテは、お父さんとお母さんの魂から生まれた存在なのではないかと。明言はされていないように思いますが、もし本当なら、結さんはそのことに気付いたんだと思うのです。そうだったら素敵だなって思います。
北埜とらさん
評価:☆☆☆☆
 しんみり。何を書けばいいんだろう。難しいです。とても美しかったです。抑揚の少ない、穏やかな物語の中で、最後の最後に死にゆくときの描写が入って、『手を握ること』を綺麗に回収して、タイトルに帰着して終わる。ゆっくりゆっくりと吸い込まれるように、真っ白になって物語が終わる景色が、目に浮かぶようでした。とっても綺麗なエンディングだった。しんみり。
 少女、魂、風船、空。このセンチメンタルがとまらない舞台の中に科学的なアプローチで切り込んでいくのが、すげぇ……なんというか……味があるなって思いました(日本語が不自由すぎてすいません)。ユイちゃんのどこか浮世離れした雰囲気とか、なんっつうか……なんって言えばいいんですかね……こういうのエモいって言うんですかね……? エモ、うーん、なんかこう、しんみり……しんみりですね、しんみりが一番しっくりきますね(語彙力なさすぎて本当にすいません)。
 今回『実はこのキャラ既に死んでました』っていう作品が他にも何作かあったんですが、死んで孤独を感じているキャラっていうのは多分この子だけで、この子は死後の世界で孤独を感じていたんだな。何故ひとりぼっちだったんだろか。『死んだ霊体』という表現があったのは、つまるところ、『死んだ霊体』と『生きた霊体』がいて、ユイちゃんは生きた霊体だから、死んだ霊体はいっぱいいるけど見る事さえできなかった……ってことなんでしょうか(単に『生きている人々』と対比の『死んだ霊体』だったのかもしれませんが)。
>みんな意識を失っているんだ。そして、起きることもない。その表情は苦痛や苦悶に満ちたものだ。誰も安らかに眠っていない。
 これが「うわぁ……」って ソネさんはそんな世界の中で生きてきてよくもまあ立派に大人になれたなと。
 オゾン層を霊体が越えられないと気付いたのもソネさんなんだろうか。ユイちゃんが周りの霊体が見えてない点から、ちょっと……すいません……ソネさんトンデモおじさん説が頭を過ぎりすぎてしまう……、が、フワンテが異常発生している理由を考えれば、まあそうかもしれないよねみたいな感じです(フワンテの伝承が真実かどうかはさておき)。安らかな顔をして霊体たちが昇っていったあとの世界は、ソネさんにとってどんな風に見えるんやろうな。ユイちゃんはちゃんとご両親に会えたのだろうか、それとももう既に、空に舞い上がった瞬間から、ご両親の手を握っていたんだろうか。いろいろと想像できますが、とにかく、しんみりですね。しんみりです。
穂風湊さん
評価:☆
浮線綾さん
評価:☆☆☆☆
浅夜&とまとさん
評価:☆☆☆☆
レイコさん
評価:☆☆☆☆
48095さん
評価:☆☆☆☆
まーむるさん
評価:☆☆☆☆
小樽ミオさん
評価:☆☆☆
不壊さん
評価:☆☆☆☆
えびフライさん
評価:☆☆☆
久方小風夜さん
評価:☆☆
灰戸さん
評価:☆☆☆☆
さつこさん
評価:☆☆☆☆
空色代吉さん
評価:☆☆☆
586さん
評価:☆☆☆☆☆
織田秀吉さん
評価:☆☆☆☆☆